2009/12/01 [火]
▼ 今日は映画が1,000円なので、マクロス観てきた。
▼ [映画][アニメ] 劇場版マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜
TV版#07「ファースト・アタック」までの流れに後半の展開(ランカの出自やグレイスの暗躍)なんかを混ぜこんで再構成したような映画。
「愛おぼえていますか」がそうだったように、テレビ版の総集編ではなく、大まかな人間関係や話の流れはTV版を踏襲しつつ細かい設定や筋を変えて作り直した、といっていい話になっている。
物語としてはこれ単体では完結しておらず、いずれ公開される完結編に引く形になっている。
以下、かなり露骨にネタバレあり。
テレビ版との主な違いは
- シェリルが最初からバジュラの存在と自らの歌のフォールド波のことを知っている。(グレイスの企みを知っているのかは現時点では不明。というか、そもそもグレイスの目的がTV版と同じかどうかも不明。)
- 上記に関連してか、ブレラはシェリルと面識があり、シェリルのボディガードのようなことをしている。グレイスの手下になっているのは変わらない様子。
- ギャラクシー船団とフロンティア船団はあまり友好な関係に無いらしく、グレイスが早い段階でフロンティア側からスパイ容疑をかけられており、シェリルも同様に疑われることになる。
- ランカは最初からアルトの知り合い。デビュー後の下積みが長く、CMソング歌手として地味に売れてた可能性も。
- ナナセが居ない(出てこない)パンフレットのキャラ紹介でも触れられていないが、なぜか身長対比図に背後霊のような感じで映ってるのがまたなんとも(;´Д`)
ってな感じ。
もちろん、細かい違いは他にも色々あって、むしろテレビ版と完全に同じ箇所の方が珍しいぐらい変わっている。
以下感想。
- ・最初のシェリルのライブで披露される新曲「ユニバーサル・バニー」のライブ(ってかPVじゃね?)シーン。
(素の)シェリルのキャラクタ性を現したと思われる白兎と黒兎のイメージが面白く、楽曲自体もいい感じ。
だけど、劇中でシェリルが対外的に作っている「歌姫」キャラにはあんまり合ってない気がする。歌じゃなくて、白兎のキャラ付けとダンスが。
いや、劇場版のシェリルはあーゆー白兎的な路線も出して売ってるのかもしれないけど。
- ・その他の新曲
歌は相変わらずどれもいい感じ。
だけど、「射手座☆午後九時Don't be late」を初めて聴いた時の様なインパクトは無かったかなぁと。
クライマックスも「ライオン」使っちゃってたし。
「ライオン」は盛り上がるいい歌だし、イントロでktkr!みたいに思ったのは確かなんだけど
クライマックスにこそこの映画を代表するような、「イツワリノウタヒメといえばこの歌」みたいな歌が欲しかったところかなぁ。
どっちかといえば、「ユニバーサル・バニー」を最後に持ってきた方が良かった?
シェリル&ランカバージョンみたいにアレンジして歌詞変えて。
それも違うか?
- ・CMランカ
納豆が(;´Д`)
バルキリーコスは変形機構がちょっと面白い。
ただ、ファミマの曲まで含めて、全部「ニンジーン」路線で、あんまりCM曲としての完成度が高くないのが残念な気も。
まぁ、トホホ感を出すためにやってるんだから文句言うなって気もするけど。
- ・アルト
相変わらずちっとも主役らしくない。話の中心に居る気がしないというか。
スパイの容疑者についうっかり確証も無いのに「お前をスパイと疑っている」と言ってしまったり、ヘボいというかなんというか。
とりあえず、テレビ版より役者押しになってる感じなので、完結編では何か大きな見せ場があるといいけどな。
- ・クラン
関連商品の展開など、サブキャラにしては異常なまでの露出の多さからしてもっとプッシュしてくるかと思ったが、意外なぐらい出番が少なく、影も薄くて逆に吃驚。
まぁ、余分なエピソードを入れる時間的余裕もないだろうけど。
ってゆーか、テレビ観てない観客には大クランと小クランが同一人物だと伝わってないんじゃないか。
いや、そもそも小クランと大クランが出てたことすら認識できなかったかもしれん。クランって誰?みたいな
- ・戦闘シーン
大画面で繰り広げられる戦闘は流石のクオリティ。
だけど、これまたテレビ版で受けたようなインパクトはないかなぁ。
全体的にカタルシスに欠けるというか、画面が大きくなったのにアクションは細かく(小さく)なったような気が。いや、慣れてしまったから感じ方が鈍っただけなのかもだけど。
せっかく劇場版なんだし、もっともっと、と期待が大きすぎたのかもしれん。
テレビ版#07でマクロスクォーターがマクロスキャノンをぶっ放したのが何故か気に入らず「ダイダロスアタックやればいいのに」と書いたんだけど、映画版で普通にやってたのは嬉しいサプライズ。
ダイダロスアタックはマクロスの華だよねー。<そうか?
マクロスキャノンの方もその後人型に変形したフロンティアがぶっ放してるし。
ってか、バトルフロンティアが人型になってたのってこれが初めてじゃね?違ったっけ?
- ・ストーリー展開
情報を整理したうえで上手く再構成されてて、すっきりと判りやすい形になっている。
一見さんでも置いてけぼりになるようなことはおそらくない。
けど、すんなりいきすぎているというか、なんとなく山も谷も無くベターっとした印象になってる気がする。
元々ファンなら変更点とかキャラの新しい見せ場に一喜一憂できるけど、初見の人にはどうだろうか。みたいな。
いや、初見ならライブシーンや戦闘シーンで十分なインパクトを得られるかな。
この辺はよくわからんか。
…って、あれ?
もしかして文句しか言ってない?
いや、面白かったですよ?あれ?おかしいな。
とりあえず、「観て損した」とは思わない映画だと思う。
テレビ版の好印象と時間の経過で期待が膨らみすぎてたのが問題なんだろうか。
でもまぁ、あれだ。
完結編ももちろん見るよ。
TVスペシャルの冒頭数分しか見ていない私でも観れる映画でした。確かにクランのその設定は初見では分かっていませんでしたが、良し悪しは抜きにした戦意高揚映画としての伝統は失われていないように見えました。フロンティアへようこそ、みたいな冒頭のカットからも、ライブを観に行くような感覚で臨むべきなのかと思ったのですが…。
映画が面白かったのでテレビの再放送を見てみたら、絵にしろ話にしろ色々と違っていて驚きました。特に、ランカ役の声優の方は成長著しいのではないでしょうか。
マクロスの場合「味方の戦意高揚」というよりは「敵の戦意をくじく」為のものとして「歌」が使われてる気がします。
まぁ、結果的に味方や我々観客のテンションも上がっているので、どっちでも同じだって話ですけど。
この辺は演出の問題ですかねぇ。いや、盛り上がらないのは困るし、その辺何とかしようとごり押しすると「7」に戻っちゃうので難しいところですけど。
で、ランカの中の人ですが、テレビスペシャルの素人丸出しから比べるともの凄い勢いで上達してますね。
この役の為のオーディションでデビューした新人だったはずですが、その成長具合が作品の流れとリンクしてるあたりが非常にイイ感じだったと思います。
この辺はもう一人前の声優になってしまった今から、劇場版では再現できない味ですかねぇ。