作業過程2:線画を描く
フが出来たらいよいよ作画開始です。
 まずは、ラフを描いた「レイヤ0」の不透明度を適当に下げて色を薄くします。私の場合、等倍で描くと細かいところが綺麗に描けないので、キャンバスは3〜4段階拡大しておきます
 準備万端ととのったところで、間違えてラフと同じレイヤに描いてしまわないよう(※1)気をつけて「レイヤ2(現時点での最上位のレイヤ)」に線画を描いていきます。
 最終的に主線の色トレス(※2)を行う場合、A値を下げない(完全不透明)の「ペンシルツール」を使う方が後々加工が楽なのですが、今回はそこまで手を入れるつもりはありませんので、A値を下げたペンシルツール」を使って、適当な色でゴリゴリ描きます。
 わざわざ「ペンシルツール」のA値を下げて使っているのは、少し柔らかい感じを出したいためです。このとき、「ペンツール」を使っても同じように柔らかい線が引けますが、若干ボケすぎる気がするので、あえて「ペンシルツール」を使っています。ただしこの方法だと、欲しい色味の線を一本引くのに、確実に2回以上同じ部分をなぞらなければいけません。これが私が絵を描くのに時間がかかる最大の原因ですが、一発で思い通りの線を引けない私としては、どのみち2度3度と同じ個所を描き直すことになるので、特に気にはしていません。
 よれた線を消すのは基本的に「消しゴム1(完全不透明)」です。曲線部分の線の太さや微妙なニュアンスを変えたいときには「消しゴム2(薄消し)」を使います。

図3:主線を入れてる所 図4:パーツのバランスを直す
 気合を入れて描く時は、線の太さを均一にせずに、何度か描き足して太くしたり、消しゴムで削って細くしたりして擬似的に強弱(「入り」と「抜き」)をつけてやります(※3)。こうすることで多少見栄えが上がります。
 また、ラフは各部のバランスがかなりおかしかったり、表情が良くなかったりするので、描きながら各パーツのバランスをガンガン直していきます。
 直し方としては、描きながら気が付いたところは最初からラフを無視して描けばいいのですが、キャンバスを拡大して描いているので、全体のバランスがイマイチ判らない事がよくあります。その状態のまま描き続けて、ある程度出来てから気が付いた場合は、普通は描き直しですが、面倒くさいので、コピーツールを使って無理矢理移動させてしまいます(図4の左眼、後頭部、輪郭線など)かなり邪道ですが、気にせず気持ちいいカタチ(※4)になるまでガンガン動かしてチョコチョコ書き足したり消したりします。気分的には「絵を描いている」というより「コラでも作ってる」感じです。<ダメすぎ。

 さて、「哀川翔」の方は、ラフの段階から大きな変更点が無いのでいいのですが、問題は「竹内力」です。
 こちらはもうラフは使い物にならないと言っても過言ではないので、新たにアタリを取り直します。

図5:「竹内力」描き直し

●初心者にありがちな「向かって左向きの顔が描きやすい」病をキャリア20年の私は今だに引きずっているので、まずは画像を左右反転して描きやすい向きに直します。

●元のラフは顔の位置と首の太さが決定的におかしいので、コピーツールで移動させバランスの取れそうな場所に置いたら、思い切って新たに描き直します。

●「哀川翔」とのバランスを考えつつ、乳の大きさや臍の位置を修正します。

●右腕(この画像は左右反転しているので左腕)が中途半端な位置だったので、おさげをかきあげるような形にしてみます。


 というわけで、「竹内力」のアタリも取り直し、「哀川翔」の線画はほぼ完成しました。
 ここまでは順調…‥と言いたいところですが、ココでとんでもない事に気が付きました。
 この絵は大きすぎます。前述のように私は線画を描くのに時間がかかるのですが、このサイズの絵だと、なんとココまで描いただけで、既に3時間以上経ってしまいました。普段描いてるサイズならとっくに完成している時間です。
 このままでは徹夜確定です。というか、朝になっても終わらない気がします

 流石にそれはマズイので、作業の継続を断念。思い切って寝てしまいます。他所様のお絵描き掲示板に途中絵を投稿するのも気が引ける(※5)ので、PCの電源は入れっぱなしです。
 翌日、起床→外出→帰宅。小心者の私はPCの電源入れっぱなしで寝たり外出するのはかなりドキドキものなのですが、どうやら無事に状態を維持してくれているようです。

 私はBGMかBGVがないとどうも落ち着かない性質なので、とりあえず「SDガンダムフォース」と「阪神−広島(2回戦)」を観ながら作業再開。阪神が初回の猛攻で5点先制しているので気分良く作業が進みます。
 前日に描き直したアタリ(図5)は「哀川翔」に比べて顔や体つきが一回り大きかったので、またもやコピーを駆使してサイズを縮めつつ、ようやく線画完成。いつのまにか阪神−広島戦がヤバイ事になってます。大丈夫か阪神!?(※6)

図6:線画完成
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Notes
※1 そんな馬鹿なと思う人も多いでしょうが、私はよくやります(^^;
というか「今日は頑張らない編」で見事にやってしまってます。
※2 セル画で言うところの「色トレス線(主線以外の部分の色境界線)」とは若干ニュアンスが違うような気がします。というか、そもそも「色トレス」という言い方が正しいのかどうかも知りませんが、ここでは下図bのように境界線を隣接する色の同系暗色で描く技法をそう呼んでいます。
図a図b
主線を黒で処理した 色トレスしてみた
黒単色の主線を使うよりも、絵の雰囲気を柔らかくすることが出来ます。ゲームの世界では当たり前のように使われていますね。
※3 JAVAの筆圧感知プラグインを自分のPCにインストールする事で、普通に力の加減で「入り」と「抜き」が再現できるようになりますが、私はそこまでペンタブを使いこなせていないので、地道に修正あるのみです(^^;;;;;;;
※4 これがなかなか「気持ちいいカタチ」にはなってくれ無いんですよねぇ(^^;
このサイズの絵の場合、1pixズレただけでガラリと印象が変わってしまう事もよくあります。今回は哀川翔の口がまさにソレで、ずっと手直ししてました(^^;;;;;
※5 実は大抵のお絵描き掲示板用CGIには、追加作画が出来る機能がついています。その為、作成途中のデータを一端アップしておいて後日続きを描く事は不可能ではありません。
ただし、他所様の掲示板にそれをやる場合、管理者にお伺いを立てたほうが無難だと思われます。
ちなみに、でんでんくらぶの3種類の掲示板は、全て途中データの投稿もアリです。その際途中である旨コメントに書いておいて頂ければ、レスつけるときにソレを考慮に入れておけるので助かります
※6 大丈夫じゃありませんでしたヽ(`Д´)ノウワァァァン
なんで0−5から逆転されてるんだYo!っつーか、12−10ってなんだYo!!ふざけんNa!!!

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